家事のしやすい家は、「幸せになれる家」
あなたが今住んでいるのが50平米のアパートだとします。そして、新しく100平米の一戸建てを建てて、そこに引っ越したら、面積が倍になる分、お掃除の手間も倍になるでしょうか?
そんなことはありません。収納が増え、部屋の中がすっきりすることになりますから、きっと掃除機をかけるのはかえってラクになることでしょう。
ただし、住まいが広くなることによって、歩く距離は増えてしまうことになります。
そこで、ムダな動きをしなくてもいいように、家事の動線を考えた間取りの工夫が必要になるわけです(間取りの工夫については「使い勝手のいい一戸建ての間取りのための10のポイント」という記事でも紹介しています)。
たとえば、洗濯機をキッチンの横に置いておけば、忙しい時間帯でも、洗濯をしながら食事の支度を同時に進めることができるようになります。
キッチンから玄関までの距離を短くしておけば、チャイムが鳴ってもすぐに玄関ドアまで向かえます。
あなたの好きなこと、苦手な家事は何でしょうか。
「お掃除をすると気が晴れる」という方もいらっしゃれば、「落ち込んだときも料理をしていると気分がよくなる」という方もいらっしゃいますよね。
家事の得意・不得意、好き・嫌いは、人によってまちまちですが、主婦はひととおりをこなさなければなりませんので、大変ですよね。
そんなとき、あまり好きではない家事は、時間をかけずに、簡単にすませられるような家だったら、どうでしょうか。
たとえば、料理が好きで掃除が苦手なら、ダイニングとキッチンの間に目隠しをつけておきます。それなら、多少キッチンが散らかっていても、ダイニングからは見えないので、気持ちが少し軽くなるでしょう。
ワイシャツを真っ白に洗濯するのが好き、という方は、脱衣場に大きなボウルタイプの洗面台を設置するといいでしょう。ワイシャツの襟や袖口は、洗濯板を使ってゴシゴシ洗ったほうがキレイになるからです。
共働きで、週末しか洗濯できないご家庭なら、雨が降っているときでも洗濯物を干しておける場所を確保しておけば便利です。
お裁縫が好きで、ミシンをすぐに出して使えるようにしておきたかったら、ミシン用のテーブルを中心に家事コーナーを作ってみるのもいいかもしれません。
「一戸建てで叶えたい夢をリスト化して「幸せの基準」を探す」では、「かなえたい夢」という観点から、幸せになれる家をイメージしてみましたが、ここでは、新居での家事という面から、それをイメージしてみましょう。
好きな家事、嫌いな家事の一覧リスト
ここに、主な家事の一覧を用意しました。このひとつひとつに、好き(得意)か、嫌い(苦手)かをチェックしてみましょう。
自分が好きな家事、苦手な家事が見えてくると、きっと「幸せになれる家」のイメージが浮かんでくることと思います。
家事 | 好き(得意) | 嫌い(苦手) |
---|---|---|
カーテンを開ける | □ | □ |
ベッドを整える | □ | □ |
新聞を取る | □ | □ |
コーヒーを入れる | □ | □ |
朝食を作る | □ | □ |
朝食を子どもに食べさせる | □ | □ |
朝食の食器を洗う | □ | □ |
朝食の食器をしまう | □ | □ |
テーブルを拭く | □ | □ |
米を研ぐ | □ | □ |
麦茶を作り置きする | □ | □ |
献立を考える | □ | □ |
宅配食材を注文する | □ | □ |
植物の世話をする | □ | □ |
ペットに餌をやる | □ | □ |
ペットのトイレを掃除する | □ | □ |
ペットを散歩に連れていく | □ | □ |
ペットを病院に連れていく | □ | □ |
洗濯機を回す | □ | □ |
洗濯物を干す | □ | □ |
部屋を片づける | □ | □ |
掃除機をかける | □ | □ |
トイレ掃除をする | □ | □ |
風呂掃除をする | □ | □ |
ごみを集め分別する | □ | □ |
ごみを捨てる | □ | □ |
哺乳瓶を消毒する | □ | □ |
子どもの歯磨きをする | □ | □ |
子どもを着替えさせる | □ | □ |
連絡帳を書く | □ | □ |
オムツに記名する | □ | □ |
子どもの持ち物をそろえる | □ | □ |
子どもに靴を履かせる | □ | □ |
保育園に送っていく | □ | □ |
保育園に迎えに行く | □ | □ |
連絡帳をチェックする | □ | □ |
子どもの手を洗う | □ | □ |
子どもと遊ぶ | □ | □ |
夕食をつくる | □ | □ |
夕食を子どもに食べさせる | □ | □ |
子どもの食べ残しを処理する | □ | □ |
夕食の食器を洗う | □ | □ |
夕食の食器をしまう | □ | □ |
残ったご飯をラップする | □ | □ |
テーブルを拭く | □ | □ |
風呂のスイッチを入れる | □ | □ |
子どもを風呂に入れる | □ | □ |
子どもの体を拭く | □ | □ |
子どもにパジャマを着せる | □ | □ |
子どもの歯磨きをする | □ | □ |
子どもに絵本を読む | □ | □ |
子どもを寝かしつける | □ | □ |
子どもの汚れ物を洗濯機に入れる | □ | □ |
部屋を片付ける | □ | □ |
洗濯物を取り込む | □ | □ |
洗濯物をたたむ | □ | □ |
洗濯物をしまう | □ | □ |
アイロンをかける | □ | □ |
靴を磨く | □ | □ |
郵便物をチェックする | □ | □ |
家計簿をつける | □ | □ |
加湿器に水を入れる | □ | □ |
子どもに布団をかけ直す | □ | □ |
夜泣きに対応する | □ | □ |
保育園の呼び出しに対応する | □ | □ |
子どもを病院に連れていく | □ | □ |
子どもに薬を飲ませる | □ | □ |
予防接種や健康診断を予約する | □ | □ |
予防接種や健康診断に連れて行く | □ | □ |
子どもの爪を切る | □ | □ |
子どもの耳掃除をする | □ | □ |
子どもの靴を洗う | □ | □ |
子どもの服のサイズをチェックする | □ | □ |
子どもの持ち物に記名する | □ | □ |
車を運転する | □ | □ |
電車やバスで子どもをあやす | □ | □ |
保育園グッズを縫う | □ | □ |
ベビーシッターを予約する | □ | □ |
ベビーシッターに引継ぎをする | □ | □ |
オムツを買う | □ | □ |
トイレットペーパーを買う | □ | □ |
クリーニングに出す | □ | □ |
クリーニングを受け取る | □ | □ |
食事を作り置きする | □ | □ |
役所に書類を提出する | □ | □ |
公共料金を払う | □ | □ |
通帳記帳や資産運用をする | □ | □ |
電球を取り換える | □ | □ |
家電の修理を依頼する | □ | □ |
新聞をまとめて捨てる | □ | □ |
粗大ごみ回収を予約する | □ | □ |
シンクを掃除する | □ | □ |
窓を拭く | □ | □ |
ベランダや庭を掃除する | □ | □ |
レンジフードを取り換える | □ | □ |
ボタンを付け直す | □ | □ |
衣替えをする | □ | □ |
子どもの写真を整理する | □ | □ |
子どもの習いごとの情報を集める | □ | □ |
子どもを習いごとに連れて行く | □ | □ |
レジャーの予定を立てる | □ | □ |
親戚と連絡をとる | □ | □ |
保護者会に出席する | □ | □ |
町内やマンション理事会に出席する | □ | □ |
持っていくもの、捨てるもの
次に、現在お持ちのものについて考えてみましょう。
毎日使う日用品から、とっておきの時間のための趣味のもの、めったに使わないけれども捨てそびれてしまっているものなど、今、家の中には様々なものがあると思います。
新居ができたら捨ててもいいもの、新生活になってもずっと所持していたいものをリストアップしてみましょう。
とくに、大きな家具は、それを置くスペースを間取りで考慮しなければなりません。家を建てる前に、家具の大きさや置き場所を把握しておきましょう。
せっかくの新築の家なのに、家具が窓にかかってしまったり、ドアが開かなくなってしまったり……そんな事態を避けることができるでしょう。
□ 洋服ダンス
□ 和ダンス
□ ダイニングセット(テーブルと椅子)
□ ソファ
□ ピアノ
□ ギターなどの楽器
□ テレビ
□ オーディオ機器
□ 机
□ ベッド
□ 布団
□ 衣類
□ 靴
□ バッグ
□ コレクションなど(鉄道模型、ミニカー、ぬいぐるみなど)
□ 食器
□ 使う頻度が少ない大型調理器具(例=餅つき機)
□ アウトドアスポーツ用品(ゴルフクラブ、野球道具、テニスラケット、スキー、テント、釣り竿など)
□ 本
このリストが完成すると、必要な収納の数や量なども見えてきます。
収納量抜群の靴箱が欲しい、大切なコレクションを飾るための棚が欲しい、スポーツ用品は外からも出し入れできるようにしたい……そんな、希望の家のイメージが見えてきたと思います。
新居への引っ越しは、持ち物を整理するとても良い機会でもあります。
着るチャンスのない服、知人からいただいたけれど趣味が合わないので一度も使ったことがない食器、いつか使うつもりでためこんできた紙袋……こういったものを、思いきって処分してしまうのもいいでしょう。
持っていなくても日々の生活に支障がないものというのは、意外とたくさんあるものです。
この際、思いきって処分すれば、新居での片付けはずっとラクになります。